カラオケの自分に合ったキー

カラオケの自分に合ったキーの変更方法【高音が苦しい】

原曲キーとは、「実際に販売されている曲と同じ音程の曲」という意味です。

 

カラオケのキーの変更ですが、結論からいうと「原曲で入れて、サビはオクターブ下で歌う」か「合わなかった場合は2〜3つほど上げる(下げる)」ことをすると、とても歌いやすくなります。カラオケのキー変更について詳しく解説していきます。

 

プロのアーティストの曲を原曲キーで歌う難しさについて

プロのアーティストの曲は男性曲は特に、殆どが地声で2オクターブあり、とても広いです。地声で2オクターブというのは、しっかりと発声練習を積み重ねた方でないと、でない広さです。さらにアーティストによって声種が異なり出る音域に違いがあります。

 

この2点から、初心者の方がプロのアーティスト曲を原曲で歌うのは大変難しいことだとわかります。本人が、地声で2オクターブの音域があり、なおかつ、歌いたいアーティストとの声種が一致した時のみ、原曲キーで歌うことができるのです。声種についてはあと追って詳しく解説していきます。

 

カラオケのキーの変更について

カラオケのキーの変更についてですが、明確な答えは勿論ありません。人それぞれ声帯の長さが異なるので、それによって出る音域は異なります。大まかに声種は低い方から

  • バス
  • バリトン
  • テノール
  • アルト
  • メゾソプラノ
  • ソプラノ

に分けられます。地声が高い人は低音が出にくいですし、地声が低い人は高音が出にくくなります。それぞれアーティストもこれらの声種のどこかに当てはまります。ただし日本人はバリトンやメゾソプラノが圧倒的に多く、極端に地声が低い人や地声が高い人はめったにいません。

 

音域が狭いケースではオクターブ下で歌う

プロのアーティストは例外なくボイストレーニングを積んでおり(もしくはボイトレはしてないにしても普段からよく歌い込んでいる)、特に男性アーティストの場合、音域を広げるためにミックスボイスを習得しています。それによって音域は非常に広く、ボイトレをしていない方が歌おうと思っても、難しいケースがあります。

 

たとえば音域が広い曲としてMr.Childrenさんの「HANABI」が挙げられます。この音域は一番低い音でlowG#、一番高い音(地声)でhiAとなります。2オクターブ以上あります。この曲のサビの最高音がでないからと、もしキーを3つ下げた場合、一番高い音はmidF#になりますから、高い音は出しやすくなりますが、すると、一番低い音は「lowF」となり、低音が大変難しくなります。

 

lowFというのは、バス音域の方で、ある程度訓練を積んだ人でないと出ない音です。このように、声種が合わないから歌えないということではなく、そもそも音域を広げる訓練が足りないために、歌えないというケースがあるのです。

 

ではどうすればよいのかですが、一番安全なのは「サビはオクターブ下で歌う」ことです。どの曲も「ド,ド#,レ,レ#,ミ,ファ,ファ#,ソ,ソ#,ラ,ラ#,シ」という12音階でできています。人の声は、特にCDなど音程がしっかりミックスされた曲では、この12つの音ですべて成り立っています。ですから、これらの音さえ出せれば、曲は歌うことができます。どんなに地声が低くても、音域が狭くても、この12つの音は出せるはずです。

 

女性の曲を男性が歌う場合や、キーが高い男性の歌を地声の低い男性が歌う場合は、特にサビではオクターブ下で歌います。女性の場合は、地声が低い男性の曲はオクターブ上で歌います。特に曲をドレミでそのまま覚えている方は、キーを下げるより原曲の方が歌いやすいと思います。

 

極端に地声が低い(高い)人は2〜3キーを下げる(上げる)

日本人は小柄で声帯が小さいことから、男性ならバリトンが圧倒的に多く、次はテノールが多いです。バス音域は殆どいません。女性はメゾソプラノが多いです。
日本のアーティストもこの音域の曲が圧倒的に多いです。

 

ゆえにキーが合わなくて悩むのは、男性ならバス(極端に地声が低い)かテノール(極端に地声が高い)、女性ならアルト(極端に地声が低い)かソプラノ(極端に地声が高い)です。

 

ようは自分の声種に合った、無理なく歌える曲が少ないのです。このケースではキーを2〜3ほど下げて(上げて)から歌うと、とても歌いやすくなります。

 

自分の地声が平均より明らかに低い、または高い、と感じる方は、歌ってみて苦しかったら、2〜3つキーを変更しましょう。キーはカラオケの歌唱中でもリモコン1つで下げられるので、ちょっと歌ってみて苦しいと感じたらすぐキーを変更して、そうすると楽に歌えるようになります。

 

逆に平均音域の方が地声の低い(高い)曲を歌う場合は、これも同じように、自分が歌いやすい高さに2〜3つほどキーを変更するとよいでしょう。

 

有名アーティストの声種を調べてみました

声種といっても、明確に「○〜○まで出ていたらソプラノ」のような基準はありません。ただ漠然とですが、Wikipediaも参考にしながら声種の音域を独自に出してみました。以下の通りです。

 

それぞれ声帯の長さによって声種がある、主に6つの声の種類、低い方から順に

 

男性
バス・・・F2〜F#3
バリトン・・・G#2〜A4
テノール・・・B2〜C5

 

女性
アルト・・・D#3〜A4
メゾソプラノ・・・F#3〜C5
ソプラノ・・・A3〜D#5

 

 

ただし、男性であってもアルト音域の方もいれば、女性であってもテノール音域の方も稀にいます。

 

こちらも独断になるのですが、大まかに有名アーティストの声種を分けてみました。
※音源を聞いたり、音域を調べて、一番低い音を基準にして作成しています(低音を広げることは困難なため)。高音についてはトレーニングでどこまでも高くなっていくので、一番高い音で判断すると声種の判別は難しかったです。

 

男性

バス 福山雅治,DOES
バリトン 米津玄師,RADWIMPS,BUMP OF CHICKEN ,コブクロ,スキマスイッチ,ケツメイシ,サザンオールスターズ ,L'Arc〜en〜Ciel,ポルノグラフィティ,ブルーハーツ,
テノール ONE OK ROCK,スピッツ,B'z,ゆず(北川悠仁) ,小田和正,back number,Mr.Children,UVERworld,秦基博

 

※アルト…ゆず(岩沢厚治)

 

この中で特に音域が広くて歌いづらいアーティストはMr.ChildrenとL'Arc〜en〜CielとUVERworldです。低音は十分に出しますし、同時に高音域も非常に広く、曲によっては2オクターブ以上平気であります。

 

それを地声(正確にはミックスボイス)で歌っています。地声が高いというよりも、音域が非常に広いアーティスト達です。この3組は特に音域を網羅する意味では、大変難しいです。いわゆるキーを下げたら低音でないし、原キーなら高音届かないし、という状態になりやすいです。

 

バス声種で歌えるアーティストは福山雅治になります。この中で歌いやすいアーティストはやはりブルーハーツですね。音程、リズムともに簡単ですし、さらに音域も広くないので。コブクロも上の3組に比べたら音域を広くとっていないので、比較的歌いやすいと思います。メロディも比較的歌いやすくなっています。

 

女性

アルト あいみょん 松任谷由実 宇多田ヒカル 中島みゆき(テノールかも)
メゾソプラノ 水樹奈々 西野 カナ 安室奈美恵 Superfly  いきものがかり aiko JUJU
ソプラノ 椎名林檎

女性のアーティストの場合、1〜1.5オクターブくらいとなります。

 

声が低いアーティストはあいみょん、松任谷由実、中島みゆき、宇多田ヒカルなどです。ただし宇多田ヒカルは低い音もでるのですが、同時に高い音も出、2オクターブあるので避けた方が無難です。

 

地声が低いアルトの女性の方は、テノールの男性歌手(スピッツやゆずなど)の曲を歌うこともできますが、この場合、低音が出ないケースがあります。アルトの音域の狭い曲を歌うこともできます。アルトがメゾソプラノを歌う場合、2〜3キーをさげてから歌うとよいです。

 

また、前述した通り、ミックスボイスを覚えると高音はどんどん伸びていくので、音域の狭いメゾソプラノの曲も歌うことができると思います。女性の曲は比較的音域は狭いので、声種さえ合えば、バッチリ歌うことができます。

 

裏声を覚えると大きなアドバンテージになる

歌声には表声と裏声がありますが、裏声を覚えると一気に音域が広がります。たとえばサビで1音〜2音ほど届かない音があった場合、裏声が使えれば、それで網羅できます。

 

裏声はどこまでも高く声が出せます。理想はミックスボイスの習得ですが、その前の過程として、裏声を覚えてみるとよいでしょう。

 

自分の音域の調べ方(声種の調べ方)

もしピアノかキーボード(44鍵盤以上)を持っている方はそれを使って調べます。調べる音は「地声で出せる一番低い音」と「地声で出せる一番高い音」の2つです。裏声ですが、裏声はどこまでも高い音が出せてしまうので、裏声の音域は測定しません。

 

鍵盤の音を出していって、それに合わせて声を出します。鍵盤の音をどんどん低くしていって、音にできる最低音が「地声で一番低い音」です。同じ要領で地声で一番高い音も調べます。

 

鍵盤で音を出して、それをすぐ声に出すことで、より正確に自分の音域を調べることができます。

 

男性の場合、一番低い音で、F2が出ればバス音域です。G#2あたりだとバリトン、B2あたりだとテノールです。
女性の場合、一番低い音で、D#3が出ればアルトです。G#2だとメゾソプラノです。

 

バスやテノールの方は普段から「地声が高いね(低いね)」と言われてきているはずなので、なんとなく自分でそこの音域かなとは予測できているかもしれません。

 

もしピアノやキーボードがない場合ですが、かなり大雑把なやり方ですが、チューナーを使う方法もあります。アプリのチューナーを活用してもよいでしょう。スマートフォンアプリの「n-Track Tuner」です。無料アプリになります。

 

n-Track Tuner iphone
n-Track Tuner アンドロイド

 

インストールして、自分が出せる一番低い声を出してみます。するとチューナーが声に反応して音を示してくれます。音と同時に、右下に周波数も示してくれるので、その周波数をみてどの高さの音なのかわかります。音別の周波数は以下の通りです。上の数値が周波数(Hz)です。

 

 

たとえばFと表示されて右下の周波数が87(だいたいそのあたり)が表示されたら、lowF(F2)だとわかります。厳密には歌声として出せる音域と、無理に出せる音域というのは違うのですが、かなり荒い方法ではありますが、このように自分の音域を調べることもできます。
一番低い音を出したら、高い音も出して、自分の地声の音域を調べます。

 

カラオケのキーの変更例

@同性の歌手を歌う場合は3つ単位でキーを変更する
(声種ごとに3音ほどの違いがあるので、たとえばバスがバリトンを歌う時は−3にする、バスがテノール歌う場合は−6にするなど)

 

A原曲で入れて、AメロBメロは原キーで歌い、サビは1オクターブ下げる

 

B男性が女性の曲を歌う場合、3〜4上げて、1オクターブ下で歌う

 

長時間、地声(表声)の張り上げで高音を出すことは大変危険です

ミックスボイスの訓練を受けていない段階で、素人の方が、特にサビで地声を張り上げて高音を出そうとすることがありますが、それは大変危険です。

 

たとえば30分や1時間など短い時間なら問題はないですが、長時間しかも一定期間ずっと地声の張り上げをしていると声帯に傷がつく恐れがあります。

 

声帯は、肺から送られた空気に当てて、引きのばすことで振動を増やし、高音を出しています。無理な地声の張り上げは、声帯に無理な力が入り、さらに空気を強くあてるので、そこで痛めてしまう恐れがあります。

 

アコースティックギターのチューニングを強くして(弦を強く引っ張っている状態で)力任せにストロークするようなもので、声帯へのダメージは大きいのです。

 

喉(声帯)だけで声を出そうとすると、喉の緊張から声帯を酷使しますし、キーが高い曲を歌い続けたら、喉への負担はとても大きくなります。

 

腹式呼吸を覚えて全身を使って歌えるようにしたり、時には声帯を緩めて歌ったり、キーが高い曲はキーを下げて(−1など)歌うなど、喉への負担をできるだけ少なくすることが大事です。

 

キーを下げるのは恥ずかしいこと?

キーを下げることは恥ずかしいことではありません。人それぞれ持って生まれた声帯の大きさ長さがあり、それゆえ声に特徴があります。

 

高音が出ない場合でも、下の音域は広く、深く響く低音が出るケースがあります。人それぞれの持ち味の問題ですので、「高音がでない=下手」とか「高音がでない=かっこ悪い」ということは決してありません。

 

特に声帯が長く大きい方は、低音が出やすいケースがあります。声帯が短い方は高音が出やすくなります。

 

たとえば米津玄師さんやコブクロの黒田さん、BUMP OF CHICKENの藤原さん、斉藤和義さん、福山雅治さん、吉田拓郎さん、などは体格が大きく、彼らの声は低音の響きが強く出ています。

 

ONE OK ROCKのTakaさん、スピッツの草野さん、B'zの稲葉さん、ゆずの岩沢さんなどは、ストレートな響きと高音を生かした綺麗なハイトーンが出ます。

 

持っている楽器の違いといういいかたもできると思います。喉の特徴の違いなので。

 

カラオケで歌う時、はじめからキーが下げられていることがある

地声の高いアーティストの場合、カラオケでそのまま予約すると、自動的にキーが下がっていることがあります。

 

たとえばスピッツのチェリーの場合、原曲はキーが3つ上げています。カラオケでチェリーを予約した場合、キーの設定は原点(上げても下がってもいない)ですから、カラオケで入れると、自動的に-3の状態で歌うことになります。カラオケを予約する時に「原曲キー」アイコンがあるはずですから、それを確認するとわかります。

 

チェリーを原曲で歌う場合は、キーを3つ上げて歌うと、原曲の状態となります。

 

キーを変更すると曲の印象は変わる?

勿論印象は変わります。たとえば、有名な童謡の「さくらさくら」で説明すると、さくら〜さくら〜の部分は原曲では「ラ ラ シ〜 ラ ラ シ〜」ですが、これを3つキーを下げれば「ファ# ファ# ソ#〜 ファ# ファ# ソ#〜」となります。

 

音楽理論でいう、転調になります。使われるスケールは変わらないのですが、キーが変わるので、使われる音が変わるのです。

 

この転調というテクニックは本当によく使われます。よくあるのが3番のサビで転調するというものです。特に最近の曲では多いですね。3番だけキーが変更している状態です。とても身近なものです。1曲中で5回も6回も転調する曲もあります。友達がいたずらで歌っている最中にキーをランダムで変更されるような感じです。相対音感がないと歌いきることができません。

 

一般的にキーを下げれば暗い印象になり、キーを上げれば明るい印象になります。

 

転調によっては大きく印象が変わる場合もあれば、共通の音を多く残すキーにすることで印象があまり変わらない場合もあります。キーを±1にするよりは、キーを±2もしくは±3の方が共通の音が多いので、印象は変わりにくいです。

 

原曲で覚えているのでキーを変更すると違和感を覚えるケースはあると思いますが、アーティストの持ち歌でライブであっても、声の調子が悪かったり、加齢でキーを下げるということはよくあることなので、そこまで気にすることでもないかもしれません。

 

ライブで−1で歌っていることはよくあります。

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