カラオケのしゃくり,こぶし,ビブラート,フォールって何?徹底解説

カラオケで採点ゲームをしていると色々なカラオケ用語が出てきます。たとえば「しゃくり」「フォール」「こぶし」「ビブラート」です。

 

これらは「どのようなピッチの取り方をしているか」でそれぞれ種類が分けられています。

 

本来の音程より少し下からしゃくり上げて音程を取る取り方を「しゃくり」と言います。フォールはその反対で、本来の音程から上からかぶせるように音程を取る取り方です。

 

ビブラートはフレーズ終わりの語尾を伸ばす(ロングトーン)部分で音程を上下に揺らすことです。こぶしは一瞬だけ音程を上下させることです。イラストにすると以下のようになります。
しゃくりフォールこぶしビブラート

 

歌声はピアノのような平均律で決められた音程が単音で鳴る楽器ではありません。声を出し続けて、音程は波のように出続けるものです。

 

ドでもド#でもない、その中間にあるような音階名では言い表せないような微妙なニュアンスのピッチも、歌声では表現できてしまうのです。そういった波となって出続ける音程を自在にコントロールすることで、テクニックとして歌に味を付けていきます。

 

ではこれらのより詳しい解説と、これらがカラオケ採点にどのように影響するのかについても解説していきます。

 

カラオケ しゃくり

しゃくりは少し下から上に音程をしゃくりあげるピッチの取り方です。通常の音程の取り方は滑らかに横軸に水平になるように取っていくのですが、しゃくりでは思いっきり下から上に音程を上げます。それとは別に、なめらかにしゃくって音程を取る取り方もあります。

 

音程がズレている個所からはじまり、すーっと上昇していくにつれて音程が合っていく様というのが、耳に快感を与えるのです。なめらかにしゃくっていく場合では音はスケール内の音から始めるようにします。

 

これを多用しすぎると本来の音程がわからなくなり、いわゆる音痴という状態になってしまいます。メロディが崩れてしまうのです。しゃくり上げは音程のバリエーションを増やすためにピンポイントで使っていきます。

 

注意点として、中には音程を探してしまう癖があるがゆえに、しゃくりのような音程の取り方をしてしまう方がいます。

 

ピッチの入りで音程が迷子になっており、そこから合わせるようにして上に上げていって音程を取るのです。歌いだしの音程のイメージがついてないケースではこういった音程迷子な歌い方になってしまいます。

 

このケースではスケール外の音から始まることが多く、調子外れな印象を与えたり、不協和音となる場所から音程が始まってしまい、伴奏に対してメロディが噛み合わなくなってしまいます。

 

ポピュラー音楽では、キーがCメジャーの場合、ドレミファソラシドの7音しか原則使用しません。これをスケールと言いますが、このスケールの感覚を身に付けておかないと、しゃくりで微妙な音程のニュアンスを加える時に、調子はずれな場所からしゃくってしまう可能性があります。

 

テクニックを使うには、その前に基礎的な発声練習(スケール練習)は必須です。しゃくりは多用するものではなく、ワンポイントとして、変化を使えるために使用するもの、という認識がよいかと思います。

 

カラオケ フォール

フォールはイラストのように上から下にボールを投げるように音程を下げて取る取り方です。フレーズの最後の語尾で使われることが多いです。バラードでよく使われ、ため息のような感じで力を抜き「はぁ↓」と音程を下げていく取り方です。

 

音程が下降していくと、そこに脱力感が生まれるのですが、その力を抜いて声量も弱めていって消えていくように音程が下がっていく様というのに、脱力感や切なさを感じるのです。そういった儚さや切なさを表現するテクニックとなります。

 

注意点として、音程を下げる時にしっかりとお腹で声を支えたままキープしておかないと、音程が不安定になります。音程を下げると一緒にお腹の支えが弱くなる方がいますが、お腹の支えはキープしたまま、音程を下げるようにします。

 

カラオケ こぶし

こぶしとはフレーズの中の1語(もしくは2語)の音を一瞬だけ上下に揺らすテクニックです。

 

たとえば、童謡の「ふるさと」で説明すると「ふーるーさーと」は「ミーミード#ーシ」ですが、これに「る」と「さ」の部分にこぶしを入れると「ふーるぅぅーさぁぁーと」となります。音程は「ミーミファ#ミード#レ#ド#ーシ」です。

 

ようは、「る(ミ)」と「さ(ド#)」の部分で半音ほど上がって、また元の音に戻っているのです。こぶしを長くすると半音上がって、1音下がって、元の音に戻るというパターンもあります。

 

言葉は子音と母音に分かれますが、母音の部分を上下に一瞬揺らすことでこぶしは完成します。J-POPでも使われるテクニックですが、演歌でよく耳にするテクニックだと思います。フレーズの中でこの言葉を強調させたいという時に使います。

 

カラオケ ビブラート

ビブラートはフレーズの最後の語尾のロングローンの部分の音程を上下に揺らすテクニックです。

 

たとえば揺らすスピードを早めて、揺らす幅を狭くしたらいわゆる「ちりめんビブラート」となり声が震えているような質感になります。逆に、揺らすスピードをゆっくりにして、揺らす幅を半音単位など広くすれば、ゆったりとした音程の揺れとなります。色々コントロールしてビブラートの質感を変化させることができます。

 

ビブラートの種類

 

ロングトーンでずっと真っすぐの音程だと面白味が足りないと感じる時にビブラートを用います。

 

このビブラートは曲調によって、合う時と合わない時(勿論それはそれぞれの感性で決めることですが)があります。たとえばゆったりとしたバラードの曲で語尾が小刻みに速いスピードで動くちりめんビブラートですと、曲の雰囲気が壊れてしまいます。バラードではゆったりしたビブラートが合うでしょう。

 

逆にアップテンポの曲では、ビブラートはなしの方が、くどくなく、どんどん展開していくスピード感に対応できると思います。もしくはビブラートをかける場合でも揺れる幅を狭くした方が曲に合うと思います。

 

それぞれの判断で、曲で使い分けが必要です。

 

ただ注意点として、発声の基本は音程を真っすぐキープさせたロングトーンです。丹田で声を支えて、さらに声帯も適度に閉鎖させることでそれは実現します。

 

この基本的な発声ができるようになってはじめて、ビブラートを取り入れるようにします。発声の基本ができないうちにビブラートをすると、喉を締めてコントロールするだけの、ただの不安定な音程の揺れになってしまいます。これは非常に悪い癖です。

 

ビブラートの練習は発声の基礎が完璧にできてから取り組むようにします。これはビブラートだけでなくしゃくりやフォールやこぶしでも同じことが言えます。テクニックの前に、まずは発声の基礎からです。

 

ビブラートの練習法ですが、電子キーボードを用意して、半音単位で音を出していきます。半音範囲でのビブラートがしたい場合は、たとえばド#とミの音を交互に出します。

 

その音に合わせて発声します。1音単位のビブラートがしたい場合は、たとえば、レとファの音を交互に出します。それに合わせて発声します。すると自然にビブラートがかかるようになります。

 

 

これらのテクニックはカラオケ採点で点数稼ぎとなる?

ジョイサウンドの分析採点ではテクニックとして加点されます。DAMの精密採点ではこれらのテクニックは殆ど意味がありません(ビブラートタイプによって加点されるようですが、不定期に揺れるちりめんビブラートでも加点されるため)。

 

ジョイサウンドの分析採点ではテクニックという項目が5点ほど設けてあります。そこでたとえばビブラート使ったりしゃっくたりなどテクニックを入れれば入れるほど、この項目が5満点で加点されていきます。

 

精密採点については、点数の大部分は「音程正確率」で決まります。たとえば正確率が80%だと80点〜85点、正確率が90%ですと90点〜95点など、正確率と点数が相関しています。

 

これらのテクニックを使うと、テクニックの部分で本当に少しだけ加点されますが、正確率が下がる可能性があります。テクニックよりもガイドメロディ通りに使うことの方が重要です。

 

あとはこれらのテクニック(しゃくり、フォール、こぶし、ビブラート)をどうやって機械で認識しているかですが、見本となるバーに対してピッチがどのように動いたかで認識しています。チューナーで声をピッチとして認識し、その動きで、下から入ったらしゃくりとか、上下に動いたらビブラートとかです。

 

ちなみにカラオケの採点については以下で考察していますので参考にしてみてください。

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